クラスメイトたちの囃し立て茶化す言葉を主人公はただ俯いて耐える。
彼らの言う通りで、自分と桜井先生が釣り合うなど思っていない。
抜群のプロポーションに完璧な容姿、知性溢れる大人の女性。男性教諭たちも彼女を目の前にすると中学生に戻ったようにしどろもどろになる。
だから主人公も出す予定のないラブレターに素直な自分の思いを綴って、自分自身を癒していたのだ。
(それを落としてしまうなんて……)
自分の不覚さに嫌気が差す。
「しかし、これ、ヘタすると……」「桜井先生の事だしな……」
「だね~~」
「殴られるどこらじゃないね。学校追い出されるとか?」
(彼らの言う通り、もう遠くから眺める事もできなくなるかも……)
彼女は『危険』な先生であることでも知られていて、セクハラをした男性教諭をボコボコにして病院送りにしたことがあるし、授業中寝ようものなら彼女の言葉による精神的な懲罰で『自分は生まれてきたらダメだった』と思うほど地獄の底まで凹まされるのだ。
「こんなラブレター送る奴、ダメ松がはじめてだよな! ギャハハ」
「もうあんた達酷いよぉ~~。ホントに酷いことになったらどうするのよ?」
「そんときは俺たちが笑って……イヤ、励ましてやるよダメ松!」
「………松村……だ」
「あれ? ダメ松怒ってるのか!?」
周囲がどっと沸く。 何が楽しいのか。主人公はどん底に沈む。
(桜井先生のことだ。嫌われるだけじゃ済まないかも……)
そこで教室によく通る凛とした声が響く。
「松村君いるかしら?」
周囲が緊張してさっと引く。 桜井先生が教室にやってきたのだ。
「松村君ね。ちょっとついて来てくれるかしら?」 「あ………はい……」
主人公は桜井先生と連れ立って教室を出る。
教室を出るとどっと騒ぎ出すクラスメイトの声が聞こえた。
階段を上がり屋上までやってくる。
今日は風がきつく、桜井先生の美しい髪がパサパサと揺れる。
「あなたの手紙読んだわ」 「あの……先生それは………」
「わかってるわ。クラスのいじめっこに勝手に出されたんでしょう?」
「あ………そ、そぅ……」
「みじめね」「え……」
「これを書いたのあなたでしょう?」「……はい」
「あなた自分のことがわかってる?」「え……」
「無様な醜男で、同級生にいじめられても言いかえせない。
なんの取り得もなくて、つまらない将来クズ確定の男なのよ?」
桜井先生は美しい顔で酷い事を言う。
ハイヒールをコツコツと響かせて主人公に近づいてくる。
(殴られる……!?)
「これだけ言われて腹が立たないの?」
「そんな……ごめんなさい……すみません」
「根性なし。オタク。不潔。ほんとに最悪。
あなたみたいな男が私を思っていたと思うだけで虫唾が走る。
気色悪くて、最低な男……」
桜井先生は主人公の顎に手をやり、強制的に見詰め合うような形になる。
「え……?」「あれは本当にあなたが書いたの?」
「はい」「私を想像して? いやらしい事を妄想しながら?」
「!?」「チンポからカウパー滴れせて書いたってバレバレよ」
「あ……うぅ……」
「絶対釣りあわない。美女と野獣。あなたなんか連れて歩いたら恥かしくて死ぬわ。絶対死ぬ……。
……だから合格」
「はい? 合格?」
「私の性奴隷になりなさい」
透き通った声で美しい桜井先生の唇がそう言った。
「せ……せい……!?」
「あなたみたいな惨めな奴隷が欲しかったの」
「え……あ……ど……どれ……?」
「さあ、その前にズボン脱いで。あなたの汚れた臭いチンポを見せなさい」
「え!?」「二度は言わない」
主人公は戸惑いながら、桜井先生の妖しい視線に射抜かれて逆らうことも出来ずに下半身を露出させる。
「太くはないけど、長い。まぁ……なんて長いの。
合格よ。今日からあなたは人間以下の奴隷。
私のいう事には何でも従う惨めな奴隷。わかった?」
「あ……はい……」
「よし。誓いのキスをしなさい、私の靴に。
汚いチンポを床に擦りながら這いつくばって」
言われるまま主人公は桜井先生のヒールにキスをする。
まるで現実感がない。予想外の事態。
こうして桜井先生と主人公の主従生活が始まる。
果たして美女を愛してしまった、か弱き野獣の夢は叶うのか!? |