「…………あぁ」
聞こえてくる。
「んっ……ふ、ぁ……んっ、ぁ……ン」
これは、礼子(れいこ)さんだ。
友達の貴史(たかし)のお母さん――ちょっと前まで僕たちと話してたあの人の声だ。
「…………ぁ、あん……んっ、ふん、あん……」
これが――大人のオンナの人が、イヤらしいことをしてる時に出す本当の声なんだ。
なんてスゴイんだろう。なんてイヤらしいんだろう。
――礼子さん、今、セックスしてるのかな。明日から出張するっていう、貴史のお父さんと。
「ふくぅっ……んっ、はぁっン……んふ、んっ」
こんなイヤらしい声を出しながら、セックスしてるのかな。
ドア一枚隔てて聞こえてくる熱い声が、僕の体をすり抜けいく。
卒倒しそうなくらいに心臓が高鳴って、股間のペニスがじんじんと脈打って勃起する。
――見たいよ、礼子さん。
僕はドアノブを掴むと、音を立てないように回して、ゆっくりと扉を開いた。
「…………あ」
一センチ足らずの隙間から、薄暗い部屋を覗き込んだ瞬間、僕は息を呑んでいた。
ダブルベッドの上に横たわって、小刻みに体をひくつかせながら、熱っぽい息を吐く礼子さん。
でも、セックスをしてるんじゃない。これはオナニーだ。
「はぁっ、んぅ……んっ、あっ、あっ」
オナニーするんだ。礼子さんみたいな、綺麗で、素敵で、結婚してる、人妻の女性も――するんだ。
寝ているおじさんに背を向けて、両足の間に挟んだ手で股間を弄っている礼子さん。
パジャマが半分くらいだらしなく脱げて、たっぷりと肉の詰まったオッパイとお尻が丸見えだ。
「…………すごい」
「ああぁ……んっ、ふぁ、あんっ……」
さっきまでは真面目で綺麗な貴史のお母さんとしか思えなかった礼子さんが、今はあんな顔をしてる。
いけないとは分かっているけど、オチンチンはガチガチで、僕はもう礼子さんから目を離せない。
「はぁ、はぁ……礼子さん……」
僕はもうどうしようもなくなって、薄暗い廊下にひざまづいたままオチンチンを扱き始めていた。
こんなにイヤらしくて素敵な礼子さんが僕の最初の人になってくれたら。
僕はそんな妄想に身を浸し、徐々に短くなっていく礼子さんの喘ぎに合わせて、オチンチンを扱いた。
「ああっっ、んっんっ、あっ、あっ、あっ、ああっ、ああんんっっ、んんんっっっっ!!」
「礼子さん……はぁ、はぁ、礼子さん……はっ、はっ、はぁっっ」
あぁ、イキそう。イキそうだ。
礼子さん!! 「こんなところで何してるのかな? 優くん?」
「!!!!!!!!!」
心臓が止まった。
射精直前のオチンチンを握り締めたままの僕。
その横に立っていた人。
「うふふっ、何してるのかなァ?」
――友香(ともか)さん。
礼子さんの妹で、この家のもう一人の人妻お姉さんだった。
「ふ~ん…… いけない子ね、優くん」
僕の夏休みはまだ始まったばかりだった………
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