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魔法少女ルキフェル桜花 LILITH|リリス
■STORY
ぐちゅりぐちゅり。
商店街から家に帰る近道の路地裏。
目の前でうごめく気味の悪い生物、
タコの触手のようなもので宙づりにした女の子を犯している。
女の子には見覚えがあるような、しかし記憶が曖昧ではっきりしない。
ただその女の子の嬌声だけが頭に響いてくる。
女の子は何度も愛液を噴き出し、びくびくと痙攣し続けている。
触手の動きが止まると、女はねだるように腰をくねらせる。
触手はそのまま動かず、次の瞬間化け物の体が真っ二つに開き、
その女の子を飲み込む。食べたのだと感じた。
化け物の体のイボから真っ赤な鮮血が滴る。
消化しているのだと感じた。
目の前でなにが起こっているのかもわからず、逃げようにも足が動かない。
化け物の目がぎょろっとこっちを向く。
粘着質の嫌な音が響く中、その化け物はゆっくりとこちらに近づいてくる。

「桜花、これをっ!!」

目の前に突如現れたぬいぐるみは自分の名前を呼び、
何かよくわからないものをこちらに渡す。

「それを使って変身して戦っ――」

言い終える前にぬいぐるみは化け物の触手に勢いよく殴られ、弾き飛ばされる。
大きな音を立てて壁にぶつかり、ぽふっとぬいぐるみの体は地面に落ちた。
目の前には触手の化け物が迫っていた。
このままでは、あの女の子の様に犯され食べられてしまうと、
とっさに先ほどぬいぐるみに渡された、
アクセサリーのようなものを手に取り、握りしめる。
何故かそうしなければいけないと思った。
それは槍を模したペンダントであった。
すると、手にした槍のペンダントは急激に光を放ち、その形を変化させる。

「ルキフェル……!? それが君の名前!!?」

槍のペンダントは機械の槍へと変化した。
先端は鋭い刃となっており、ビーム光線のようなものが刃を大きくしている。
そして自分の体を覆う甲冑のような存在に気づく。

「……そ、そいつを倒して……桜花……」

ボロボロになったぬいぐるみの声を聞いた瞬間、光る槍を横に振るっていた。
武器なんて、ましてや槍なんて持ったこともなかったが、
あたかも長年槍を使っている戦士のように武器を操っていた。
迫ってきた化け物の触手が一瞬にして切り裂かれ蒸発する。
化け物は異質な声を響かせて、闇に溶け込むようにずるずると
後ずさると暗がりに溶け込むように消えてしまった。
そして急に意識が薄れ、そのまま地面に倒れ込んでしまった。

*  *  *  *  *  *  *  *  *  * 
 
目が覚めるとそこは自分の部屋のベッド。

「夢……っ!?」

はっと起き上る本作の主人公、上代桜花(カミシロオウカ)。
寝汗でぐっしょりの体。でも悪夢のような世界から抜け出れたという安堵感が桜花を包む。
それほどリアルに実感できた夢であった。
すると、自分が何かを手に握り締めている事に気づく。
その手の中にはあの悪夢の中に登場したもの、
あの不思議なぬいぐるみからもらった槍のペンダント。

「嘘っ!? これって……!!!?」
「上代桜花、目が覚めたかい?」

声にぎょっとする桜花。
いつの間にそこにいたのか、目の前には、あの不思議なぬいぐるみの姿が。
ベッドの上にちょこんと座って桜花を見ているのだ。

「ぬいぐるみが喋った!?」
「あはは! 何をいまさら」

悪夢の中でぼろぼろになったはずの喋るぬいぐりみは、
新品のようにほつれひとつ無い状態になって桜花に愛くるしい笑みを浮かべる。


「ゆ、夢は、夢じゃなかったの!?」
「まあ、夢みたいなものだけど疑似体験とも言える。君は確かにナイトメアを葬ったが同次元内の君の本体はベッドで寝ていたのも事実だ。これは光子に君の精神エネルギーを憑依させて特異点から次元的光子転送による……」
「???????」
「……まあ、試験のための夢だと思ってくれていいよ」
「し、試験!?」

饒舌なぬいぐるみはぽてぽてと可愛く歩き、顔を近づけてくる。

「あ、あなた……何もの……?」
「私はアル」
「あ、アル……くん」
「アルでいいよ。僕はね、特異点加速光子転送……、君が夢の中で見たあの化け物たちを退治してくれる人を探してるんだ」
「退治!!? あ、あの化け物って!?」
「あの化け物たちはナイトメアと呼ばれている。地球に来て、人間の女の子からからオーガズ……まあ、君たちからエネルギーを食らって生きてる、君たちの言葉で言ういわゆる地球外生命体だよ」

アルの説明によるとナイトメアたちは実ははるか昔より地球に来ていて、人間を餌に地球に住み着いているという。
この街にも複数のナイトメアが存在するらしく、いつまた人を襲うかわからないという事。
そしてアルは人間たちを守るために人間の協力者を求めている事を説明する。

「だから桜花、君に戦ってほしい。君は試験に合格した。
 私が発明したナイトメアに対抗する魔法の武具、アーティファクトに君は選ばれたんだ。そう、君は選ばれた少女なんだ」
「選ばれた少女!?」
「そう、正確には魔法ではなく高度に発達した、下等生物の君たちには理解できないテクノロジーの産物なんだが、君たち人間にとっては魔法のような道具だろうから、私の発明品をあえて魔法の武具と分かりやすく説明している。そして僕はその魔法の武具を使ってナイトメアと戦ってくれる少女を魔法少女と呼んでいるんだ。つまり桜花、魔法少女になってほしい」
「えっ!? えっ!? 何だか馬鹿にされたような、何ていうか、そんな魔法少女って、えと、私どうしていいか、とにかくちょっと待って!」

するとアルは、ぴょんと窓枠に飛び乗る。

「混乱するのも無理はない。
 大丈夫、もちろん考える時間はあるよ。だから話はまた後で」
「ちょ、ちょっと待ってアル! まだ聞きたい事が!?」

アルはにこりと微笑むと、そのままぴょんと窓から飛び降りる。

「ここは二階だよ!?」

慌てて桜花が窓の外を見た時にはアルの姿は消えていた。

「わ、私おかしくなったの……? これは夢の続き?」

桜花は手の中に残された、アルがアーティファクトと呼んだ槍のペンダントを見つめる。

「桜花! 早くしないと遅刻よ!」

階下から母親の声。
時計を見ると、もう家を出ないと遅刻しそうな時間になっていた。
桜花は慌てて槍のペンダントを首から下げると、急いで登校の準備を始めた。

*  *  *  *  *  *  *  *  *  *  

桜花の通う聖ユリエル学園。
何とかギリギリ間に合い、そそくさと自分の席に着く桜花

「おはよう桜花、今日はギリギリなんですね?」

隣の席で桜花を迎える美少女。
リナことリナリア=フェーデルハイド。外国の有名な貴族の出で、
貴族のしきたりが嫌で無理やり日本に留学しているという桜花の親友である。
日本では、名門貴族であるからと何かと特別な扱いもされないらしく、
すっかり気に入って当分帰らないと公言している。

「おはようリナちゃん……何て言うか、その……いろいろあって……」
「そう…………」
「どうしたの?」
「い、いえなんでも。それよりHRが始まりますよ」

担任の教師が教室に入ってきて、学園での一日が始まった。

*  *  *  *  *  *  *  *  *  *  

昼休み、リナに誘われた桜花は学園校舎の屋上で一緒にお弁当を食べることに。
夏場で日差しの強さは感じるが屋上を吹き抜ける風は気持ちよく、
あまりクーラーにあたってばかりだと気分が悪くなってしまう体質の桜花には有難い申し出であった。

「食べないの?」

先ほどから弁当も広げず桜花を見詰めるリナに桜花は尋ねる。
どうも朝からリナの様子がおかしいのだ。

「ねぇ桜花、あなた今朝に不思議なぬいぐるみに会ったんではなくて?」
「え……? えっと……何の話?」
「アルっていう名のぬいぐるみに」

リナから飛び出た言葉に桜花は驚く。

「桜花、あなたは戦うの? ナイトメアと」
「も、もしかしてリナちゃんもアルに会ったの……!?」
「ええ、少し前に。黙っていてごめんなさい」

とその時、屋上に入る鉄製の入口のドア開き、二人の女の子が現れる。
桜花と同じクラスの氷上瀬璃(ヒカミセリ)と
綾乃瀬なつめ(アヤノセナツメ)である。

「上代さん、あなたがこの戦いに参加するのは無理だと思う」

クラスで寡黙だがクール美少女で人気のあるの瀬璃が強い口調で言い放つ。

「氷上さん……何もそこまで言わなくても……ごめんなさいね、桜花ちゃん」

クラス委員もしている、女の桜花でもはっとなる
魅力的なプロポーションの持ち主である綾乃瀬なつめが氷上を窘める。

「瀬璃、何勝手に決めているのかしら!? 桜花は十分戦えるわ!」
「そうかな? 体育の授業での彼女の実績を見ていればわかる。
はっきり言って足手まといだ」
「みなさん待って、そんな事、急に話しても桜花ちゃんが困ってしまうわ」

クラスで、というより学園で人気を三分する美少女たちから突然、
よくわからな形で囲まれて自分に関して討論する姿に戸惑うばかりの桜花。

「あの……も、もしかして皆……あの化け物……ナイトメアと戦ってるの!?」
「それは僕が答えよう! 答えはYES。彼女たちはもう何度もナイトメアと戦ってるよ!私の誇る優秀な魔法少女たちさ」

目の前に突然饒舌なぬいぐるみアルが現れる。

「きゃっ!?」
「おっと驚かせてごめんよ。
そのまま、そのままリラックスして私の話を聞いてくれ。
今この街には複数のナイトメアが潜んでいて、彼らは非常に腹ペコでね、
最近急激に女の子が捕食しているんだ。
君のクラスにも一人いるでしょ? 音信不通になった子がね」
「藤崎さんよ……」

リナが二週間前に失踪した女生徒の名前を告げる。

「そう。そして犠牲者はこれからも増えるだろう。それを防ぐために彼女たちに協力してもらってる。ナイトメアには、地球上の兵器と呼ばれるものは効果がないからね。ナイトメアと戦えるのは魔法少女だけなんだ」
「どうして上代さんを魔法少女に? 私たちだけで十分なはず」

いつも感情を表に出さない瀬璃がまた強い口調で言い放つ。

「それはアーティファクトが決めた事さ。最後に残る最強のアーティファクト『ルキフェル』が桜花を主と認めたのさ」
「上代さんが!?」
「そうさ。『ベヒーモス』の氷上瀬璃、『ジズ』の綾乃瀬なつめ、『リヴァイアサン』のリナリア=フェーデルハイド、『ルキフェル』の上代桜花が揃って初めて強力なナイトメアに対抗できる」

桜花に三人と一匹の視線が集中する。

「そんな……急に言われても……」
「桜花、良く考えて。できれば戦ってほしいけど、危険だから強制はしない。だから――」

すると突然アルの体がぴくっと震えわて硬直し目を赤く輝かせる。

「ナイトメア!?」
「こんな時にうざったいわね!」
「だれか襲っているかも!? すぐに退治しましょう」

アルの反応はナイトメアが近くに出現した警報なのか、三人は色めき立つ。

「この反応は………これは2か所同時だね……2体のナイトメアが近くにいる!」
「1匹は私一人で十分」

瀬璃は日本刀を模したアクセサリーを取り出すとぱっと光りに包まれ、
妖しい光を発する太刀にを得物に見たことのない不思議な光沢の金属で
体を覆った戦士の姿へ変化する。
そして瀬璃が何かを唱えたかと思うとその場から忽然と姿を消してしまう。

「まったくいつもいつも……なつめさん、私たちでもう一匹をすぐに倒して瀬璃の援護にいきましょう」
「そうですね……すぐに向かいましょう!」

それに続くようにリナは二対の西洋剣を模したアクセサリーを取り出し、
双剣を得物にした戦士に、なつめはライフルを模したアクセサリーを取り出し、
長銃を得物にした戦士に変身し、瀬璃同様にその場から忽然と姿を消してしまう。

「み、みんな……!?」
「桜花、何度も言うようだけど強制はしない。彼女たちの様に魔法少女になって戦う事をね。でも、氷上瀬璃が一人で向かったナイトメアはとても強力な奴だ。きっと彼女は負けてしまうだろうね」
「負ける? 負けるとどうなるの!?」
「桜花、君は知っているはずだよ。夢で見たじゃないか? あの食われた少女、溶かされ鮮血が噴き出る様子をよく思い出すんだ。あの夢の出来事は順当な未来の残像なんだ。あのナイトメアに犯され食べられた少女は氷上瀬璃にそっくりではなかったのかな?」
「そんな……っ!!?」
「さあ、どうする桜花?あとは君は決めて。もし戦うのなら戦地へは『ルキフェル』が案内してくれるよ。魔法少女にならないのなら、『ルキフェル』はここから投げ捨てればいい」

そう言い残すとアルも突然消えてしまう。
取り残された桜花。

「わ、私、わたしは………!!?」

桜花はアルからもらったアーティファクトを握りしめる。
『ルキフェル』を。

「私は………!!!?」

上代桜花の死闘が始まった――!!!
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