主人公、ドニ・ボーガンは宇宙連邦軍の少佐であり、要人輸送用の戦艦ジャサント号の艦長。主人公はいつもの様に任務を受け、その説明のために、各セクションの幹部たちとジャサント号の作戦室にいた。
「今回は裏の任務だ」
主人公がそう告げると部下たちは口笛を吹き、色めき立つ。
実は主人公とジャサント号の乗員たちには裏の顔があった。それはネオ・テラーズに属する特殊部隊という顔で、ニュー・ソラル派の重要人物の暗殺や誘拐を得意任務としていた。
「ジーク・テラーズ!!」
地球出身の若者によく見られる偏狭な愛国心が燃え上がる。今やニュー・ソラルは彼らにとって地球を脅かす憎い敵となっていた。
「少佐! 任務はなんでありますか!」
「ニュー・ソラルのクソどもを暗殺するのさ! そうでしょう? 少佐!」
「そりゃいい!」「男は殺せ! 女は●して孕ませろ!」
「ターゲットは、ニュー・ソラル派の新進気鋭の才女、リエリ・ビショップ中佐と
その副官ナオミ・エヴァンス少佐だ。美しい女仕官様だ。諸君」
「ビショップ中佐!? 確かニュー・ソラル派の名将の娘で、自身は
ニュー・ソラルの次世代リーダーとか言われている女将校ですな」
「テレビでよく見るすかしたクソ女だ!」「おお! 見たことあるぞ!!」
「あの副官は、俺たち地球人類を腐った老廃物って言ってやがった!!」
「地球の恩を忘れたニュー・ソラルのメス豚め!」
盛り上がる部下たちを宥め、主人公は作戦の詳細を説明する。
二人は軍憲兵捜査部に所属する上級捜査官で、ネオ・テラーズ派の大物政治家が地球復権のために行っている非合法活動の証拠をつきとめ、1週間後に地球で開かれる連邦政府会議で告発を予定しているというのだ。事が成されれば、ネオ・テラーズ派は窮地に陥り、ニュー・ソラル派のさらなる台頭を許すことになるだろう。
「そこで俺達の出番だ。
明日、惑星タイタンに寄り、二人を乗せ地球へ向かう。
この艦の設備を使い、目一杯歓迎する予定だ」
「設備……!? すると艦長…………!?」
「そうだ。移送中に二人を●●する」
ターゲットへの●●任務は、主人公たちがもっとも得意とする特殊任務だった。
ネオ・テラーズが発明したといっても過言ではない●●のノウハウは、体系だった学問の研究のように密かにその技術情報が蓄積されおり、これまでにも数多くの人物を●●して自分たちにとって都合の良い人物に作り変えてきたのだ。
会議が終わり、幹部仕官は各部署へ戻っていく。
そうして誰もいなくなった作戦室で主人公は資料を広げ呟く。
「ニュー・ソラル最高のコンビであり、愛し合う実の姉妹のようか……」
「お前たちを地獄に堕とすために俺はジャサント号の艦長になった……」
そう言って冷笑する主人公。
主人公と彼女たちには少なからぬ縁があった。
それは深く刻まれた屈●の思い出、いつかあの日の復讐を果たすために主人公は顔まで整形して今の地位を手に入れていたのだ。全ては闇の思い出とともに。
「さあ、どうつくり変えるか……リエリ・ビショップ、ナオミ・エヴァンス。
お前たちのために特別プランをずっと考えてきた……!」
ジャサント号は惑星タイタンに進路を向け、静かにその巨体を宇宙に泳がせはじめた。
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